実際のカメラでもCGでも同じことですが、画角の設定によって対象の見た目は大きく変わります。今はCGユーザーの裾野が広がっているので、画角は当然意識するでしょ!という人から全く触らないよー、という人までいると思います。
何回かの記事に分けて、画角についてゆるーく話したいと思います。私もカメラ自体に詳しいわけではないですが、ちょっとでも知っておくとスタディの精度を上げたり、表現の幅を広げることができると思います。
画角とは?
画角とは、カメラで撮影する際に写る範囲を角度で示したものです。水平画角、垂直画角、対角画角と種類がありますが、この記事では水平画角のことだけを考えます。この水平画角をFOV(視野角)と表現しているCGソフトが多いと思います。
ものすごくざっくり言うと、標準レンズは45°、望遠レンズは10°~20°程度、広角レンズは60°以上と意識しています(あくまで私の感覚です!)。
ちなみに日常使っているスマホのカメラはかなり広角だと思っていますが、iPhone7は水平画角63°だそうです。普段ものを見ている感覚と照らし合わせるとどうでしょう?私は、iPhoneで撮れる範囲は眼で認識している範囲よりやや広いな、と感じます。人間の視野角は周辺視野も合わせて200°もあるそうですが、実際に意識する範囲はせいぜい50°程度のように感じます。みなさんはどう思いますか?
ちなみに・・・建築写真を撮っている方のブログを参考にさせていただいたところ、超広角レンズで100°とか112°まで使うこともあるみたいですね。このレベルだと、いわゆる旅館のPR写真で本物よりめちゃ広々として見えるような、よくあるアレですね。笑
CGソフトのデフォルト画角
さて、これを意識してCGソフトに目を向けてみます。自分が使っている3つのソフトのデフォルト画角はどうなっているでしょうか?
- SketchUp(2019) 35°
- blender (2.80) 39.6°(焦点距離50mm換算)
- Twinmotion(2020.1.1) 90°(UE4と同じ)
その他、自分の調べた範囲だと(違ってたらすいません)3ds Max 45°、Rhinoceros 約40°(50mm換算)、ARCHICAD 70°、Revit 約50°などなど、ソフトによってバラバラです。
(多くのソフトでは透視投影モード(Perspective)と平行投影モード(Orthographic)があると思いますが、前者の話です。)
・・・ん?Twinmotionの画角、広すぎでは?
そうなんです、実はデフォルトでかなりの広角設定になっています。モデリング作業は画角が小さめの方がやりやすく、動画の時にダイナミックに見えやすいのは広角なので、ソフトの用途の違いから設定が異なっているのだと思います。しかし、それらの違いを全く意識せずに操作すると、Twinmotionにインポートした時に「あれ?CAD上で見ていた感じと違うな…」みたいなことが起こってしまうかもしれません。
見た目がどう変わる?
画角が大きくなるほど、パースが強くかかったダイナミックな表現になりますが、近くのオブジェクトなどが歪んで見えることがあります。画角が小さくなるほど、建物の垂直のラインがより垂直に近く写ります。
建物モデルを目線ぐらいの高さから見たときの見え方を比較すると…
SketchUp, 画角35°
Twinmotion, 画角90°
全然違いますね!これはデフォルト画角での比較ですが、画角は変更できます。SketchUpではズームツール(ショートカットZ)でShift+ドラッグ。TwinmotionではCamera > FOVの数値で変更できます。
知ってどうなる?
では、画角を活用したらどんな表現が可能になるでしょうか?次の記事で、画角と見た目の変化、ちょっとした活用例を紹介したいと思います。
【Twinmotion/CG一般】画角②~見た目の変化を知って活用する
以上.